東洋医学

2008年6月 6日 (金)

足の太陰脾経

Hikei_2 今日は、胃経に続く『足の太陰脾経』のお話です。

昨日もお話したように「胃」と「脾」は表裏の関係にあり、お互いに飲食物の消化・吸収・運搬を機能的に行うために助け合っています。

したがって、どちらかに変調を来たすともう一方にも変調をきたし易くなるのです。

さて、「脾」には栄養物を臓腑にバランス良く運搬する働きの他に、「血液の統轄調整」の働きもあります。

したがって、「脾」の機能に異常を生じると出血傾向が現れてくると考えられています。

特に女性の方の生理の月経異常(月経過多)や子宮出血なども「脾」の機能異常と捉える事ができるわけです。

足の太陰脾経』のツボで代表的なものは「三陰交」、「地機」、「陰陵泉」、「血海」などです。

「三陰交(さんいんこう)」は字のとおり、足の三つの陰経絡(足の太陰脾経、足の少陰腎経、足の厥陰肝経)が交わるツボで、様々な用途で使用されます。

「地機(ちき)」は、インスリンの分泌が良くなるツボと言われています。

「陰陵泉(いんりょうせん)」は利水作用があるとされ、むくみなどの除去に使用されます。

「血海(けっかい)」は婦人科系疾患(生理不順、生理痛など)に使用されます。

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2008年6月 5日 (木)

足の陽明胃経

Ikei 今日は、先日の手の陽明大腸経の次に繋がる『足の陽明胃経』のお話です。

東洋医学では胃は「水穀(飲食)の海」と呼ばれ、飲食物を受け入れて消化する所と考えられています。

内蔵が元気に機能する活動源である栄養分(東洋医学では「水穀の精気」と表現します)は必ず胃の消化作用を経て生成されると考えられている為、胃の機能異常はその他の臓腑の機能にも影響を及ぼすと考えられています。

また「胃」と「脾」は表裏関係にあり、胃は飲食物の消化を、脾は消化された飲食物から精気を抽出し、臓腑へ運搬する働きがあります。

「胃」と「脾」はお互いに相互依存しながらそれぞれの役割を果たしているのです。

足の陽明胃経で有名なツボは「足三里」というツボです。

「足三里」は胃腸の機能を調整するツボとして昔から広く使われているツボですが、ココに鍼灸を行うと実際に胃の活動が活発になるということも良く知られています。

ただし、注意したいのは「足の三里」は胃液の分泌も活発になるので、胃酸過多症の方は不向きなツボといえます。

また、「豊隆」というツボはカラダの中の余分な水分(東洋医学では「湿」と表現します)を体外に排泄する働きがあるツボで、下肢のむくみの時などにも利用します。

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2008年5月31日 (土)

手の陽明大腸経

Daicyoukei 本日は昨日の「肺経」の表裏関係にある『大腸経』のお話です。

東洋医学では大腸は『伝導の官』と呼ばれ、小腸からの飲食物の残渣を受けて運搬し、それらを体外へ排泄する消化の過程の臓腑と考えています。

これらの機能異常は「大便」に関係するもので、大便秘結(便秘のこと)、裏急後重(りきゅうこうじゅう、しぶり腹のこと)を伴う下痢などです。



『合谷(ごうこく)』というツボを聞いた事がありませんか?

実はこの『合谷』というツボは大腸経に存在するツボなんですが、東洋医学では「面目は合谷に収む」という言葉があり、顔面部・眼の様々な症状にこのツボを使うと良いということの例えです。

ですから、例えば眼の症状、歯の症状などに『合谷』を使用することがあるのです。

また、『肩グウ(けんぐう)』というツボがあるのですが、このツボは上腕二頭筋の腱が通る場所に存在しているので、五十肩の中でも上腕二頭筋の長頭筋腱炎などの治療などにも使われます。

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2008年5月30日 (金)

手の太陰肺経

今日は『経絡』の一つ 「肺経」 をご紹介します。

Haikei 「肺経」というのは、字のごとく「肺」に関係した『ツボ』の通り道です。咳や喉の痛み・くしゃみ・鼻水といったいわゆる呼吸器系の症状(風邪の初期症状)などに使用する「ツボ」があります。

また表裏関係にある「大腸経」との働きで、痔の出血などを止める「ツボ」も、この「肺経」の中にあります。

東洋医学では、 「肺」は呼吸を主(つかさど)り、また気を主る と言われており、その作用は「宣発(せんぱつ)」と「粛降(しゅっこう)」という言葉で言われます。

分かり易く言えば、 【 良い空気を吸って、悪い空気を吐き出すこと。カラダに必要な潤いを全身に送り、不必要な水分を腎臓・膀胱に送ること。 】 この働きにより体内の気血の流れを良くするのです。

例えば、皮膚に必要な潤い(東洋医学では「衛気」と言います)が不足すると体外から「邪気」が侵入しやすくなり、風邪を引きやすくなると考えるのです。風邪のひき始めに頚元がゾクゾクしたりするのがこの状態です。

また、鼻水なども「肺」の「宣発・粛降作用」でコントロールされていて、この機能が悪くなると鼻水が止まらないほど出るようになります。

表裏の関係である「大腸」に潤いが無くなると、大便が硬くなったり、コロコロ状の大便になったり、便秘傾向になったりすることもあります。

一方で、「肺経」は【 親指~手の関節~肘~肩の関節の前面 】を通過しているので、親指の腱鞘炎や肘の痛み、肩関節疾患(五十肩など)の治療ポイントとして使われる経絡でもあります。

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2008年5月29日 (木)

『経絡』という考え方

経穴(ツボ)という言葉は皆さん一度は聞いた事があると思いますが、『経絡』という言葉は聞いたことありますか?

私がこの言葉に出会ったのはアニメの『北斗の拳』でした。

当時、「週間ジャンプ」で連載されていた『北斗の拳』の中に、


「経絡秘孔の一つをついた、お前はもう死んでいる・・・」


というお決まりの文句があったのですが、この言葉に何か引き付けられました・・・。

「経絡秘孔って何だ?!」

そして主人公である「ケンシロウ」の兄「トキ」が、この「秘孔」を使って病気を治しているシーンを見てただただ純粋に、

「スゴイ・・・、こんなことって本当にあるんだろうか?!」

と感動したのです。


あれから20数年、

私は今、『経絡』という経穴(ツボ)と経穴(ツボ)を結びつける、東洋医学的な言い方であるところの五臓六腑の「気」や「血」の通る『道』を利用して治療する鍼灸師という仕事をしています。


『経絡』を流れる「気血」の流れを整える


これが、鍼灸治療の真髄であると私は考えています。




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2008年5月23日 (金)

東洋医学のお話 その2

さて、昨日の続きで『五行学説』についてです。

『木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)』という言葉を聞いたことがありますか?

これが『五行学説』の基本的な考え方で、全ての事物の異なる性質、作用、形態をそれぞれ木・火・土・金・水という5つに区分しようと考えたのです。

東洋医学ではこの『五行学説』を人のカラダの臓腑に当てはめて分類し、この5つの要素である臓腑のバランスの崩れがカラダに様々な症状を呈すると考えたのです。

具体的には、

木:肝・胆(肝と胆は「表と裏」という繋がりがあります)
火:心・小腸(心と小腸は「表と裏」という繋がりがあります)
土:脾・胃(脾と胃は「表と裏」という繋がりがあります)
金:肺・大腸(肺と大腸は「表と裏」という繋がりがあります)

水:腎・膀胱(腎と膀胱は「表と裏」という繋がりがあります)


としたのです。

これらの5つを「五行(ごぎょう)」と呼びますが、これらは「相互に生み出し、相互に制約しあう仲」という特徴を持っています。
これを「相生相克(そうせいそうこく)の関係」と言います。

Gogyouo_2 相生関係(お互いに補い合うもの)

・木生火(もくしょうか)
・火生土(かしょうど)
・土生金(どしょうきん)
・金生水(きんしょうすい)
・水生木(すいしょうもく)



相克関係(お互いに克し合うもの)


・木克土(もくこくど)
・土克水(どこくすい)
・水克火(すいこくか)
・火克金(かこくきん)
・金克木(きんこくもく)



東洋医学では人のカラダでこれらのバランスが崩れると様々な症状が現れ、またこれらのバランスを整える事でカラダが回復していくと考えており、そのバランスを整えるために「経穴(ツボ)」を利用するのです。

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2008年5月22日 (木)

東洋医のお話

「東洋医学」とは湯液(漢方薬)と鍼灸治療の総称を言います。

注)本来、この2つは切っても切れない間柄で中国では湯液(漢方)と鍼灸でワンセットとして治療が進められますが、現在の日本では漢方薬に関しては「薬剤師」の取り扱いになりますので、鍼灸師の資格所有のみで漢方薬を処方する事は違法です。



さてそんな「東洋医学」の中核となる考え方が『陰陽五行説』というものになります。

『陰陽五行説』というのは、『陰陽学説』『五行学説』という2つの哲学を基本理論としています。

『陰陽学説』とは、2つの相互に対立した事物や同一事物の中にある相互の対立を「陰」と「陽」に分類するという考え方です。

簡単に言えば、天と地、男と女、太陽と月、昼と夜、上と下、火と水、動と静、外と内、臓と腑などが相互に対立する「陰と陽」になるわけです。

ちなみに、

陽:天・男・太陽・昼・上・火・動・外・腑
陰:地・女・月・下・水・静・内・臓


と分けられます。(あくまで陰陽学説に則っての分類です)


これを東洋医学では人体の活動状態や病変の症状などに対しても当てはめて考えています。

カラダが陽証(陽体質)

・基礎代謝がやや高い
・体温が高い傾向がある
・発汗が多い傾向がある
・血圧が高い傾向がある
・胃の活動が活発である
・交感神経が緊張しやすい
・暑がり
・顔が赤い(血流が良い)
・冷たい飲食を好む
・舌が乾燥しやすく、喉が乾きやすい
・小便の色が黄色くなりやすい
・便秘傾向がある




カラダが陰証(陰体質)

・基礎代謝が低い
・体温が低い傾向がある
・汗をかきにくい
・低血圧の傾向
・胃腸の活動が活発でない
・副交感神経が緊張しやすい
・冷え性
・顔面蒼白(顔の血色が悪い)
・温かい飲食を好む
・舌は潤いがあり、また喉があまり乾かない
・小便の色が無色透明のことが多い
・下痢をしやすい


東洋医学ではカラダの状態をこのようにとられて、その人が「陽体質」なのか「陰体質」なのかをある程度判別していきます。

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2008年3月 6日 (木)

鍼灸治療院によってなぜ治療方法が違うの?

実は鍼灸治療にも色々な治療法があります。その治療法は治療院によって、あるいは治療者によっても様々だと思った方が良いと思います。

その理由なんですが、それは治療者を目指す為に入学する専門学校によってそれぞれ少しずつ特色があるからです。

厚生労働省で最低限必要とされる基礎医学に関する授業数はどこも同じだけ受けなければなりません。東洋医学に関してももちろん基礎部分はどこの専門学校も同じ内容になるのですが、応用部分に関しては同じ条件ではありません。

ですから、入学した専門学校によって東洋医学に対する考え方、治療方法などが少し違うのは有り得る話なんです。

さらに、鍼灸治療には流派があります。例えば、経絡治療、良導絡治療、中医学的治療、現代医学的治療などなど・・・。正直数は分かりません・・・。

治療者が専門学校在籍中や卒後に研修・勤務した先によって、あるいは実際に体験してきた患者さんによって手技に違いがあるのは当然のことだと思います。

本来なら、当院は○○流派ですとか、○○の治療経験が多く得意分野ですなどと書かれていれば患者さんとしては罹りやすいという面もあると思うのですが、これは法律で禁止されています。広告とみなされてしまうそうなのです。ですから看板には掲示できない内容なのです。

ですから、患者さんにとって大切な事は鍼灸の治療法がどうこうというよりも自分のカラダの悩みを少しでも楽にしてくれるか・あなたに合わせた治療をしてくれる治療者か・・・といかに早く出会える事が大切だと思います。

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2008年3月 5日 (水)

鍼灸治療は健康保険が使えるの?使えないの?

患者さんにたまに聞かれることなんですが、

『鍼灸治療は健康保険が使えますか?』

実は鍼灸治療の保険治療には色々な制限があります。

基本的に「病院」、「医院」、「診療所」など医師が開業している医療機関は医師の判断によりある意味自由です。医師は医療行為であれば何でも出来ますので保険扱いにも出来ますし、自費をとって鍼灸治療を行う医師もおります。ただし、鍼灸治療に関して精通しているかどうかは分かりません。

少し前に比べてお医者さんの中にも鍼灸治療の有効性について一定の理解を頂ける方が増えて来たのは事実ですが、まだまだ難しい部分も多くあるのも事実です。

「接骨院」、「整骨院」、「鍼灸接骨院」、「鍼灸整骨院」などでは基本的に柔道整復師が行える業務範囲において「健康保険が適応」になるますので、電気治療などは保険治療で、鍼灸治療に関しては差額分を自費で頂く形をとっている所が多いと思います。

当然、柔道整復師の免許と鍼灸師の免許は別物なので、柔道整復師の免許しか持っていない医療従事者が鍼灸治療を行うのは法律違反です。

したがって、柔道整復師の先生方の中には鍼灸師の免許も持っておられる先生方も多くいらっしゃいます。

さて鍼灸院の場合ですが、まず最初に電話等で確認しておいた方が良いのが、

「健康保険での保険治療の取り扱いがあるか」

をということです。

鍼灸院によっては保険治療を取り扱っていない治療院もあります。

その事を踏まえた上でですが、実は健康保険で鍼灸治療が受けられる疾患もあります。

1.神経痛
2.リウマチ
3.腰痛症
4.頚腕症候群
5.頚椎捻挫後遺症
6.五十肩
その他これらに類似する疾患

これらの疾患では健康保険適応になるのですが、実はここにもいくつかの関門があります。

まず、

1.これらの疾患で鍼灸治療を受ける前に必ず医師の治療を受けていること。
2.医師の同意書、あるいは診断書があること。
3.保険で鍼灸治療を受けられている期間は、その原因疾患についてのみ病院や医院などには罹れないことをご理解頂くこと。(その他の疾患については罹れます。)
4.最初に医師に同意を得てからそれ以降は3ヶ月ごとに医師の再度の同意が必要であること。(ただし、同意は口頭での同意で構いません。)


以上の関門を通過できると、後は記入済みの医師の同意書、健康保険証、印鑑を鍼灸院に持参頂ければその後の手続きは鍼灸院側で行われるはずです。
(ただし、保険の種類によっては取り扱いがない場合や患者さん本人が手続きをしなければいけないケースもありますので、詳細は罹りつけの鍼灸院で聞いてみてください。)

ちなみに医師に記入して頂く「同意書」の用紙は各鍼灸院にお問い合わせ下さい。

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