2008年3月 2日 (日)

五十肩の患者さんに良く聞かれる質問

さて、五十肩の最終日です。
今日は五十肩の患者さんの治療をしていて良く聞かれる質問について書いてみようと思います。

Q、肩が物凄く痛くても動かさなくてはダメですか?

A、寝ていて眼が覚めてしまうほど痛みが強い場合や、お風呂に入っていてズキズキ痛むようなら無理はしないで下さい。今はまだ、積極的に運動する時期ではありません。

Q、湿布は温シップが良いですか、冷シップが良いですか?

A、基本的に貼った時に気持ちよく感じる方で構いません。ただし、温シップは皮膚に刺激が強いのでピリピリ感じるようなら止めておきましょう。また貼りっぱなしにしても効果はありません。湿布の効能が持続する時間はおよそ3~5時間です。その後は一度剥がしてしばらく時間を空けて貼るようにしましょう。

Q、どこに貼れば良いですか?

A、痛い場所に貼れば良いです。湿布は経皮吸収型鎮痛消炎剤です。湿布に含まれる成分が皮膚から痛む部位へ浸透していきますので痛みのある場所に貼りましょう。

Q、お風呂あがりすぐに貼っても良いですか?

A、皮膚が敏感な方はお風呂から出てきてすぐに貼ると「ピリピリ」感じてしまうことが多いようです。30分ほどしてから貼って頂くと良いと思います。

Q、1回痛みが治っていたが、再び痛み出したんだけど、なぜ?

A、「痛みがとれた=良くなった」と思ってしまいがちですが、痛みがとれても関節周囲の状態が準備できていないと再び痛みが出る可能性はあると思います。再発防止の為には、痛みが取れてからどのように関節の動きを回復させるかが重要です。

Q、どのくらいで治りますか?

A、非常に答えづらい質問です。一つ言える事は症状が出てから治療を受けるまで長い経過があると少々時間がかかります。また、関節可動域の制限がどの程度によっても違いますし、個人差があると思います。

Q、五十肩は何もしなくても1年くらいで治ると聞いたんだけど?

A、これも一概には言えませんが、正直言って間違ってはいないと思います。特に一度目の痛みは自然に楽になるケースもあるようです。ただ繰り返していくうちに徐々に治りが悪くなり、可動域制限が強くなって肩を動かす事ができなくなった、という患者さんもいらっしゃいます。

Q、近くの病院では湿布しか出してくれないけどこれで治るの?

A、当院の考えでは湿布だけではなかなか難しいケースが多いように感じています。

Q、五十肩と診断され、治療もかなり受けているが全く痛みに変化がない
  のだがどうしたら良いでしょうか?


A、もしレントゲン検査だけでしか受けておらず、症状にも変化がない場合は、もう少し細かな検査を受けられる医療機関を紹介して頂くか、自分で探してみても良いかもしれません。(MRIなど)私が過去に遭遇した患者さんで近所の整形外科で五十肩の診断を受け、注射とお薬の治療に加えて私の鍼灸治療を併用していた方がおりましたが、治療直後は症状に変化があるものの、なかなか頑固な夜間痛がとれず、「ちょっと気になるなぁ」と思っていたら、実はMRI検査で上腕骨骨頚部に小さなヒビが入っていることが判明した症例もありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 1日 (土)

五十肩の実際の治療

本日は五十肩の実際の治療について少しお話させて頂きます。

五十肩の治療は基本的に痛みを抑える事と関節の動きを改善させることです。

治療法としては、整形外科では注射やお薬、外用鎮痛消炎薬(湿布)、温熱療法(低周波、干渉波、マイクロ、ホットパック、赤外線・遠赤外線、パラフィンなど)が良く行われます。

ちょっと丁寧な整形外科ではマッサージなどをやってくれる場所も増えてきたようですが、スペースの問題や人件費の問題、さらに昨今の医療費抑制に絡んだリハビリ点数の削減等により、実情はなかなかそこまで手が回らない医療機関も多いようです。

さて、それ以外の治療としては鍼灸治療なども痛みを抑える治療としては有効です。

しかし、前回も書きましたが、治療にはタイミングがあります。鍼灸治療も良いタイミングで治療を始めないと効果をあまり感じない場合もあります。

そしてさらに重要なのは痛みが緩和されたタイミングでの運動療法をいかに有効的に行うかです。

運動療法には自分で行う『自動運動』と医療従事者に他動的に介助を受けながら行う『他動運動』がありますが、痛みが緩和している途中の段階で行う運動療法は『他動運動』からスタートする方が関節にかかる負担が軽いと当院は考えています。

なぜなら、自動運動では自分の筋肉を使って関節を動かさないといけないのに対し、他動運動は人の力を利用するので自分の筋肉に無理なチカラを入れずに関節の動きを回復させる事が可能になるからです。

ですから、

「他動運動」→「自動運動」→「筋力回復トレーニング」

という順番ができるだけ関節に負担をかけず、無理なく関節の動きを回復させ、再発防止のための筋力も回復できると考えています。

そこで、当院のオススメする五十肩の治療は整形外科での痛みのコントロールに加えて、運動療法を的確に行ってくれる治療者に関節の動きを回復する為の初期段階の運動療法を行ってもらうことにあると考えます。

ちなみに当院ではこの「他動運動」にAKA療法という手技を用いて治療を行います。

AKA療法は、関節の動きを無理なく回復させる治療法で、基本的に患者さんは力を抜いて横になっていてもらうだけで良いのです。

当院ではAKA療法で初期の関節可動域回復を目指し、徐々に自分で行う運動療法やストレッチをアドバイスし、最終的には肩の周囲の筋力を回復させる為のトレーニングに移行し、完治を目指しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月29日 (金)

五十肩は症状により3期に分けられます。

さて五十肩ですが、実は大きく3つの時期に分けられます。

1.疼痛性筋痙縮期

  痛みが強く増悪する時期。激しい運動時痛、夜間痛、上肢への放散痛などが見られるケースもあります。

2.筋性拘縮期

  症状が一定化してくる時期で、痛みの為に関節周囲の筋肉が緊張を起し、関節の動きを制限させてしまうと共に鈍痛が生じます。

3.回復期

  拘縮が徐々に改善し、疼痛や不快感も減少してくる時期です。


五十肩はそれぞれの時期により少し治療法も違ってきます。

『痛いから動かさない』

というのはある時期では正しい治療法ですが、ある時期では間違った治療法で、場合によっては肩の関節の可動域を小さくしてしまう可能性もあります。

いわゆる「関節拘縮」が起きてしまうのです。

五十肩の治療で重要なのは、痛みを最小限に抑える事と関節の拘縮を起させないようにタイミングを計って「運動療法」を取り入れていくことです。

また、

『痛み止めは癖になるからイヤ』

という患者さんの声も時々聞かれます。

『注射したほうが良いのかしら?』

という質問も時々聞かれます。

その時に私がアドバイスしていることは

『睡眠はちゃんと取れていますか?もし痛みで睡眠がうまくとれていないようなら注射やお薬で痛みをある程度抑えてあげても良いと思いますよ。』

ということです。

人間の体は寝ている時間にカラダの修復機能が働いてメンテナンスをしてくれています。

もし、睡眠がうまく取れていないとしたらこの修復機能がうまく活用できません。

ですから『睡眠がとれているか』は重要な要素であると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月28日 (木)

五十肩と間違えやすい肩の痛み

実は五十肩(肩関節周囲炎)と間違われやすい肩の痛みがあります。

それは、腱板断裂、肩峰下インピンジメント症候群(以下インピンジメント症候群)、石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症です。

これらの多くはレントゲン検査である程度の鑑別が可能です。ですので、「肩が痛い」=「五十肩」と早計な判断をせずにまずは整形外科を受診し、検査、診察を受ける事が重要です。

特に夜間痛といって、痛みで眠れないとか痛みで途中で眼が覚めてしまうといった状態であればできるだけ早めに受診した方が良いと思います。

患者さんからよくお聞きするのが、

『実は1ヶ月前くらいから痛かったけど我慢してたらそのうち良くなるのかと思っていたら徐々に痛みが強くなって、急に動かせなくなったんで来たんだよ。』

という言葉です。

痛みが強くて動かせなくなってから

「さてどうしよう」、「早く治したいんだけど」

と言われても、そこまで悪化しているとなかなか早期回復できないケースも出てきます。

『鉄は熱いうちに打て』ということわざがありますが、まさに『違和感があったらできるだけ早く検査&治療を』です。

どこに問題があるのかがはっきりとしてから、どういった治療ができるのかを考えていく方が完治する近道ではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月27日 (水)

五十肩とは

人生で一度は経験するかもしれない肩の痛み、それは五十肩です。整形外科でも腰、膝と同じくして症例数の多い疾患です。といっても本来の疾患名は「肩関節周囲炎」といいます。

そもそも肩関節は肩甲骨の関節窩と上腕骨頭とで構成される関節です。

この関節の特徴は関節窩が浅く、かつ小さいため大きな可動域を保てるということです。

しかし一方で安定性が悪いという欠点もあり、その欠点を補う為に靭帯や筋肉によって安定性を保とうとしています。

肩関節に生じる痛みはこういった本来安定性維持のために機能している靭帯や筋肉、あるいは関節を包んでいる関節包、関節唇といった場所に傷害をきたしていることが多いのです。

五十肩は、明らかな原因が原因が不明の肩の痛みで発症し、痛みの悪化と次第に関節拘縮(肩の動きが制限される)が起きる病態です。

動きとしては後方挙上(エプロンを結ぶ動作)、外旋(小さく前へ習え動きの状態から腕を外に広げる動作)、前方挙上(バンザイ動作)が制限されることが多く、時に夜間に痛みを生じることもあります。

検査はレントゲン検査で関節に特に異常がないことを確認し、他の肩関節疾患と鑑別することが重要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)